安全運航・環境への取り組み
安全体制
ISOによる船舶管理の採用など、安全管理をさらに充実させるとともに、運航・配船管理については、「安全管理規程」を制定し、その徹底を図っております。
当社は1998年3月、内航一般貨物船運航会社としては初めてISMコードに基づく安全管理証書を本社の船舶管理業務および君鉄丸での船務に関して取得しました。 これは、安全管理を徹底し、お客様により高い安全・安定輸送を提供するためです。その後、2006年6月に従前までのISMコードからISOによる船舶管理を実施することに切替え、船舶所有者としての安全管理をさらに充実させております。
ISO9001を取得
当社は、船舶管理業務に関して、海上における安全、人身事故の防止、環境とりわけ海洋環境の保全および財産の損害回避を確実にするとともに、お客様のニーズに対し信頼性の高いサービスを提供することを目的として安全管理方針を策定しISO9001:2015の要求事項に適合した品質(安全)管理システムを構築し、運営しております。
安全マネジメント体制
当社は2006年10月に国土交通省の運輸安全マネジメント制度が始まるとともに「安全管理規程」を制定し、傭船を含む全運航船隊の適切な運航および安全管理を実施しております。
主な施策は次のとおりです。
- 安全推進に関する会議の開催
(種々10回/年) - 年間活動計画の策定・実行
- 安全キャンペーンの実施
(2回/年) - 入渠時安全研修等実施
- 内部監査の実施
安全管理組織表
安全キャンペーンポスター
環境に対する取り組み
国内内航貨物船初のリチウムイオン電池搭載型船「うたしま」を運航
当社の運航する、内航貨物船では初となるハイブリッド船「うたしま」が2019年2月27日、小池造船海運㈱殿にて竣工しました。本船は、湾内航行時・停泊時にCO2を排出しない環境に優しい船であると同時に、低振動・低騒音を実現し、乗組員にとっての働き方改革にも寄与しています。当社グループでは、本船に続く同型船の投入を含め、今後もSDGsへの取り組みの一つとして「ゼロカーボンシップ」の実現に向けた挑戦を続けてまいります。
本船主要目 | |
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船名 | うたしま |
船主 | 向島ドック(株)殿 |
G/T | 499トン |
D/W | 1,700トン |
積載量 | 1,530トン |
蓄電システム | リチウムイオン電池 3,500KW/H |
船橋前壁面に入れられたプラグマーク。S.H.Vは「Shore-Connect Hybrid Vessel」を、黄色の四つ星は国土交通省による「内航船 省エネ格付け制度」のハード対策・ソフト対策において15%以上の省エネ性能を認められ、最高の四つ星を獲得していることを表します。
本船の仕様について
ディーゼル主機関(主機)と、軸発電機能を持つ電動推進機の2つの動力源を備え、これにリチウムイオン電池を組み合わせたハイブリッド推進システムを搭載しています。通常は主機で洋上を航海しながら、軸発電機を回転させてリチウムイオン電池を充電します。湾内で主機を停止し、リチウムイオン電池から電動推進器へ電力を供給して航海するときには、CO2排出がゼロになります。
リチウムイオン電池の量や寿命について
リチウムイオン電池のセル24個で構成されるモジュールを2,828個搭載していますが、これはkwで換算するとハイブリッド車2,700台分に相当します。電池の寿命は15~20年とみているので、船がその役目を終えるまで交換する可能性は低いですが、万が一不具合が出た場合には、特定のモジュールのみを交換できます。
電池での走行について
短距離の航海であれば、主機を停止し、電池だけでプロペラを回転して航行できるので、湾内の航行に適しています。さらに電動推進機は操船性に優れているため、安全性も高まります。
燃費削減効果について
運航実績を積まなければ分からない部分もありますが、軸発電機の活用と停泊中はリチウムイオン電池から電力供給することにより約15%以上の省エネを見込んでいます。さらに、陸上の急速充電設備が整えば約30%程度の省エネは可能とみています。
乗組員へのメリットについて
主機・発電機の稼働時間が減少するため、乗組員の負荷とメンテナンス費用の軽減が期待されます。さらに停泊中の船内電力も、発電機の代わりに電池から供給することで無騒音、無振動がかなえられ、睡眠や業務への影響が少なくなります。すでに本船の乗組員も電池で走っているときや停泊中の音の静かさを実感しています。省力化と船内居住環境の良化という特長を生かし、人手不足の船員の確保につながることが期待されています。